耐震強度偽装問題の証人喚問を見て

今日、午前9時半からテレビで、耐震強度偽装問題の証人喚問の模様を放映していましたが、コンクリ−ト打設の立会いがあり、午前中は見れませんでした。東京のアトラス設計の指摘でこんなに大問題になっている訳ですが、私の事務所名も(有)アトラス建築設計事務所という名前に偶然なっているせいか、大変注目しています。
 直接偽装した張本人は元1級建築士姉歯さんですが、自分の生活のために構造計算書を偽装した行為はやはり絶対やってはいけない事です。1級建築士としても、1人の人間としても。1級建築士という資格をよくも汚してくれたな。と思います。ほんとうに私を含めて日本中の1級建築士は迷惑しているとおもいます。姉歯さんは建築基準法の第1条を読んだことがあるのか疑問です。建築基準法第1条をそのまま書き移します。
 第1条 
  この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
  この大原則を知っている1級建築士は少ないかもしれません。なぜならこの条項は1級建築士の試験にほとんど出ないからです。姉歯元1級建築士の行為は当然第1条に反する行為です。1級建築士の使命は国民の生命、及び財産を守ることなのに、その反対の行為をやってしまった。悪魔に魂をうってしまった。1級建築士はそれだけ多くの責任を背負っていると思います。いろいろ金儲けをしようとして、建築会社を集めグル−プ化しそこからうまい汁をすうコンサルは全国にたくさんあると思われますが、利益追求のところはあまり関心しません。今日の証人喚問の質問で、ある議員さんがコンサルの総研さんに言った言葉が印象に残っています。「利益を追求してこんな事態になったあなたにも大きな責任があるんじゃないか。」姉歯さんもその組織の一人としてうまく利用されたかもしれませんが、それを止めるのも1級建築士の使命でした。彼は、確認申請のチェック機関であるeホ−ムズに偽装を見抜いてほしかった。と言っていましたが、やはり止めるのは自分の良心しかなかったと思います。